主催「MOA美術館 児童作品展」広島市安芸区 実行委員会 協力/23Design

HOME > 第10回審査員総評

審査員紹介

絵画

中野 友三 元 比治山大学短期大学部教授
竹中 薫子 光風会所属

書写

世木田 照彦 元 小学校長  現 書道教室 講師
佐野 麻理子 産経国際書展審査会員

 
9月9日(重陽の日)は、すばらしい天気でしたが、暑さは少し柔らかくなっていました。この児童作品展も、今回で10回になり、もうそんなにといった感じさえします。
審査会場に着くと、もう1年生の作品が並べられていました。この学年の作品数が一番多いようで、学年が上がるほど少なくなっています。全体的には、昨年より多く550点の応募がありました。
各学年の全作品が並べられると、まず、全体の作品を見渡します。それから、各学校ごとにゆっくりと見てゆきます。選ぶときの基本は、作者の気持ちや思いがどれくらい表れているかを重視します。それには、作品の題名が大きくかかわってきます。
自分が表現したいことや物が、強くはっきりしていると、作品にもそれは表れてきます。うまく、じょうずに描こうとする必要はありません。自分の表現したいことを、自分なりにとことん、納得のいくまで苦労しながら努力することで、最後には、立派な作品が出来ると思います。やはり、思うように描けなくて、やめたくなるような気持に打ち勝って、それを乗り越えることが大切です。これは、絵をかくことを通して体験できる大切な要素です。
ここで、心のこもった題名を紹介します。「おった魚 川底に」「すなはまにうまった」「わがはいは レオである」「縮景園の鯉たち」「がい灯に集まる かぶとむし」「おばけきゅうりができたよ」「絵をかく弟」などです。奨励賞等の題名は、「黒き城 松江城」(6年)、市長賞「坂の町尾道」(6年)、県教委賞「清水寺」、区長賞「夏野菜」、実行委員会賞「やまめの輝き」です。今回は、高学年に優れた作品がありました。

平成28年9月9日
中野 友三